ハリ結びには色々な結び方が有りますが同じ太さ、同じ強さの糸であれば強い結び方がいいわけです。
しかしながら強いけれど結びづらい結び方、面倒な結び方、難しい結び方と強さは劣るけれど結びやすい結び方、簡単な結び方、早い結び方が有ります。
ハリに結ぶハリスは細い方が魚の食いつきがいいと思われるが細いと腰が無くハリの姿勢が保てない、よれ易くその為に食いが落ちる、傷つきやすく強度低下が早い、その為交換に時間を取られ手返しが悪くなる等のデメリットもある。
つまりはハリの大きさ、対象魚の大きさにより適切な太さのハリスがあるといえるわけで無理に細糸を使うことは無いと思われる。
従って結び強度の弱さを補うために太目の糸を使い簡単な結びをする選択もある訳です。
糸の太さと結び方(強度)、結びやすさの兼ね合いが必要です。
1.結びを締める時は水に濡らしたりつばをつけてゆっくり締める。
(これをやらないと摩擦熱で強度が低下する)
2.ハリスの本線をハリの内側(ふところ側)から出す。
(外側から出すとハリの耳(タタキ)とハリスが触れハリスが傷む)
(外側から出すと魚のかかりが悪くなる。)
3.ハリスの余り糸と本線を持って90%ほど締めてから結び目をチモト側に移動させて、
しっかりと100%締める。
4.ハリとハリスの結びは摩擦による結節力ではなくハリの耳(タタキ)によるひっかかりで
保持されると考えるべき。
5.瞬間接着剤をつける時はチモト側までつけない。
(チモト側のハリスが動く部分までつけると硬くなりもろくなる)
(特にナイロン糸は吸水性が有りナイロン分子の中に水分子が入り込む。瞬間接着剤は
水分子、通常は空気中の水分と反応して固化し 接着するのでナイロン糸の中の水分子と
反応するとナイロン糸が 硬くなりもろくなる。)
これからの図において右利きの人を対象に左側が左手、右側が右手と言う感じで書いてあります。
後はやり易いように各自アレンジしてください。
ハリの上下、右左、巻き方の上下、巻き方の前後等です。
ハリ結びの基本の結び方です。
細糸から太糸まで使えますが主に中太糸用です。
簡単で早く巻けます。ハリスが短い場合ハリスを持ち替えなくて済み特に早く巻けます。
ハリスでハリ側に輪を作り、ハリの軸を挟む。
ハリスの先端部を持ち、本線とハリ軸を一緒にハリの耳(タタキ)方向へ5~6回巻きつける。
ハリスの先端を輪にくぐらせる。
ハリスの本線と先端部を引いて締める。
良い点はチモト側の巻きの締め込みが強いところです。
弱点は矢印Aの部分でハリスがギロチン状態になり切断の恐れがあることです。
切断した場合全てがほどけてしまいます。従ってハリスはある程度の太さが必要です。
又、矢印Bにおいて巻いたハリスの引っかかり部分がずれて緩むことです。
ハリスの末端が図ではハリの上側に出ていますが締め込んでいくとハリの内側(フトコロ側)に移動していきます。
ハリスでハリ側に輪を作り、ハリの軸を挟む。
ハリスの先端部を持ち、本線とハリ軸を一緒にハリの耳(タタキ)方向へ5~6回巻きつける。
ハリスをハリの耳(タタキ)に1回巻き付けた後、先端を輪にくぐらせる。
ハリスの本線と先端部を引いて締める。
いつもこの結び方をしています。
ハリスをハリの耳(タタキ)に引っ掛けることによりチモト側の巻きが緩むことなく安定します、
但し矢印のギロチン状態は残ります。
締め込んでいくとハリスの末端は上側までは行きませんが横側に出ます。この方が魚が掛かった時には緩みづらいと思います。
ハリスでハリ側に輪を作り、ハリの軸を挟む。
ハリスの先端部を持ち、本線とハリ軸を一緒にチモト側からハリ先方向に5~6回巻き付ける。
ハリスの先端を輪にくぐらせる。
ハリスの本線と先端部を引いて締める。
この巻き方は締め込みしづらい。
ハリスの本線と余り糸が巻き付けの内側に入り摩擦に強く、強い結びのように一見みえるが締め込みしづらく特にチモト側がハリスの本線側を強く引っ張ってもチモト側まで力が作用せず締め込みが弱くなりすっぽ抜けの原因となる。
従ってこの結びは使わないほうが良いと思われる。
多くの本などでは通常の外掛け結びで連続結びをしていますが、徹釣は徹釣外掛け結び(枕付き外掛け結び)で行っています。
この方がチモトの締め込みが安定し、余り糸側がハリの横側から出るので次のハリにつなげやすいと考えている。
結びは右のハリから左へと順に行う。
本結び(内掛け結び)は本結びとは言っていますが元来の本結びとは違う結び方であくまでも内掛け結びです。
ただ多くの本などで本結び(内掛け結び)や内掛け本結びと表記されているのでそれに習い表記しました。
この結びはまあまあ強い結びですが、結ぶ時にハリスを持ち替えなくてはならなく面倒なところが有ります。
余り糸を多く必要とせずチモト側のハリスもよれづらい結び方です。
ハリスの余り糸側のハリス先端部が切れても結びがバラバラにならずほどけづらい点が良いところで、強い結びという事につながります。
ハリスで輪を作りチモト側のハリ軸を挟みハリスの先端を輪に通す。
ハリスの先端部をハリスの本線とハリ軸を一緒に輪にくぐらせながらチモト側からハリ先端部に向かい5~7回巻きつける。
ハリスの本線とハリスの先端部を引いて締める。
この結びの弱点はハリスの本線を引いてもチモト側の巻き込みまで力が伝わらず、締め込み不足になりがちです。
又、矢印のハリスの引っかかり部分がずれ緩む可能性が高いことです。これらによりスッポ抜けが発生します。
ハリスの先端部がハリの外側に来て欲しいところなのですが、締め込むと一番下の図のようにハリの内側(フトコロ側)に移動します。
従って最初からハリス先端部を内側にして締めこんだ方がいいと思われる。
内掛け結びをする時に外掛けを1回だけ行いその後、内掛けを行います。
この結び方は内掛のチモトの締め込み不足や緩みを補うもので最初の外掛け1回、内掛け1回目にしっかりと締めこんでから内掛けを行うことがかんじんです。
後で締めこもうとしても締め込みに力は伝わりません。
ハリスが短い場合の内掛け結びの楽な結び方です。
20cm以上の長さのハリスが必要です。
ハリスの余り糸側と本線の末端がハリの近くに来るように大きなループを作り、ループ状のハリスをハリのチモト側に向かってハリスとハリ軸を一緒に巻いていく。
5~7回巻いた後ゆっくりとハリスの本線を引っ張り締め込む。
ハリスの本線をハリの内側(フトコロ側)にして巻き込み部分をチモトに移動させハリスの余り糸と本線を引っ張って締め込む。
この結び方はハリスによりが発生する結び方なので締め込む時にゆっくり注意深く行い、よりが解消するように締めこまなければならない。
最終の形は「5.本結び(内掛け結び)」と同じになります。
ハリスが短い場合はハリスの本線を切断することになり無駄が発生します。
この結び方は「7.内掛け結びバージョン2」の巻きをチモト側から行う巻き方で最終形は「本結び」になります。
只、よりが発生しやすい結び方なので太糸向きです。
余り糸があまり発生しないので市販の仕掛けに見られます。
一般の釣師には本来の「本結び」をお勧めします。
渓流釣で極細糸(0.5号以下)を使い魚の歯で切れるのを防ぐための結び方です。
徹釣は0.1号、0.2号の糸を使う時に結んでいます。
ハリスを折り返しチチワを作りハリの軸にチチワ結びをします。
締めこみます。
とっくり結びを針先側から行い締め込む。
とっくり結びをチモト側から行い締め込む。
余り糸1本でハリス本線とハリ軸を一緒にとっくり結びを行い締め込む。
ハリスの本線と余り糸を人指し指と親指の間に少し離して挟みスライドさせてよりを作ります。
よれた状態で8の字結び行い余り糸をカットします。
魚の歯によるハリス切れを防ぐ方法としては他にハリスを折り返し2重糸で外掛け結び等を行い、より糸にして8の字結びを行う方法や余り糸でとっくり結びを交互に行い編みこむ方法が有ります。
又、セキ糸(補修糸)を使い一緒に結びを行いセキ糸でとっくり結びを交互に行い編みこむ方法も有ります。
北海道ではホッケのウキ釣りに、細糸を使いたい時に有効と思われる。
まだやったことは無いが、赤色を好むと言われるホッケにはセキ糸(補修糸)に赤糸を使ってみる事も有効かと思われる。
本結びは昔釣り糸をテグスと呼んでいたころに滑らない、結節強度が劣る糸をなんとか強い結びが無いかと考えられた結び方で、現在では結ぶことは無いと思いますが、参考までにと載せました。
元々はハリ軸に釘(ネイル)を添えて巻いた後、釘(ネイル)を抜きその後の空間にハリスを通し結んでいました。
後に釘(ネイル)はパイプに置き換えられました。
ハリ軸にパイプを添えハリスをハリ先側に輪を作り、はさむ。
ハリスの先端部を持ち、本線とハリ軸とパイプを一緒にハリの耳(タタキ)方向へ5~6回巻きつける。
ハリスの先端をパイプにくぐらせる。
パイプを抜き巻きを綺麗に整えハリスの本線と先端部を引いて締める。
良い点はチモト側の巻きの締め込みが強いところと巻きの中にハリスの本線と余り糸が全て入り摩擦に強い点です
パイプを抜いた後、綺麗に巻きなおす必要が有り面倒です。それと少々締め込みづらいところが有ります。
器具を使わない結びで現在の本来の本結びです。
ハリの太さ、糸の太さにもよるがハリスをハリから20cmから40cm伸ばしハリから2~3cmでるぐらいにして輪を作る。
輪を持ってハリ先側からチモトに向かってハリ軸とハリスを一緒に巻きつける。
5~7回巻きつける。
ハリスの余り糸側を持ってゆっくり引き、輪の部分の糸が巻きつけ部を通過して全てハリ先側に移動するようにする。
巻き付け部をチモト側に移動しハリスの本線と余り糸を引っ張って締める。
この本結びは輪を巻きつけることによるハリスのよれが全て余り糸側に移動するのでハリスの本線側には出ません。
ハリスの本線と余り糸が巻き付けの中に全て納まるので摩擦に強くなります。
チモト側がしっかりと締め込まれますので強い結びになります。
しっかり締め込むには力が要るので細糸には向きません。
中太糸から太糸向きです。
余り糸が多くなるので不経済な結びと言えます。
中太糸、太糸対応の本結びを細糸、極細糸に対応した結びがフィンガーノット(スネルノット)です。
この結びは後での締め込みがしづらいので巻きつけるときにしっかりと締め込みながら巻き付ける必要が有ります。
従って硬い太糸には向きません。
ハリスをハリから20cmぐらい延ばし輪を作り、ハリのチモトと一緒におさえます。ハリスの余り糸は2~3cm出します。
輪を持ちハリスの先端部とハリ軸を一緒にして巻き込みます。
ハリ先方向へ2回巻きます。
2回巻いたハリスにかぶせながら、チモト方向へ7~8回巻きつけます。
後で締めこもうとしても締め込みづらいのでしっかりと巻き込むことが肝腎です。
巻き終わったハリスも一緒におさえ、ハリスの余り糸をゆっくりと引っ張ります。巻き部分をチモトに移動しハリスの本線と余り糸を持って締めこみます。
この結びは輪を巻きつけることによるハリスのよれが全て余り糸側に移動するのでハリスの本線側には出ません。
ハリスの本線と余り糸が巻き付けの中に全て納まるので摩擦に強くなります。
チモト側がしっかりと締め込まれますので強い結びになります。
余り糸が多くなるので不経済な結びと言えます。
釣り糸をテグスと言ったころの結び方で滑らない糸に対応しました。
余り糸もほとんど発生せず、結び方も簡単で早いと言う漁師御用達の経済的な結び方です。
ハリスをひねって輪を作りハリ軸にチモト側から輪を通す。
つまり、とっくり結びを行う。
これを2回、すべる糸の場合は3回。
ハリスでもう一度輪を作りハリ先からくぐらせる。
この時ハリスの先端も一緒にくぐらせ、輪の中にハリ軸とハリスが一緒に入り締め込まれるようにする。
ハリスの余り糸と本線を持ち強く引っ張って締め込む。
漁師結びは、今では通常の仕掛けに使うことはないが、余り糸をそれほど必要としないことから釣り場でハリが取れた時、短いハリスでも結べることから応急処置としての結びとして覚えておいた方が良いと思われる。
大物狙いの大ハリ、太糸を結ぶ時に使う結び方です。
外掛け結びと内掛け結びを合わせたような結び方で、「外掛け結び」の項で説明したハリスがギロチン状態になる部分をハリス1本から4本にしてハリスが切れるのを防いでいます。
ハリスでハリ側に輪を作り、ハリの軸を挟む、輪は外掛け結びより大きくとる。ハリスの先端部で、本線とハリ軸を一緒にはりの耳(タタキ)方向へ4回巻き付ける。つまり外掛けを行う。 (枕付き外掛け)
ハリスの先端を輪の中に入れ、輪の外掛けに巻いていた側(本線で無い方)を持ちハリスの先端部とハリ軸を一緒に4回巻き付ける。
巻き付け部分を充分に濡らす。
まず、本線をゆっくりと引き全体を締める。次にハリス先端部を引き、形を整えながらさらに締める。ハリスがハリの内側から出るように整え、結びをチモト側に移動し、もう一度両方を同時に引き締め、余り糸をカットして完成です。
ハリがカン付きの場合、本線をハリの外側から出るように南方延縄結びを行いハリスをカンにくぐらせハリの内側(フトコロ側)から出るようにしてゆっくりと引いて締める。
ワームフック等のカン付きハリに適した結び方です。
締め込みづらいので充分に濡らしてから締めこむこと。
PEラインなどの滑りやすいラインの結びに適した、すっぽ抜けを防ぐ結び方です。
ライン先端部を二つ折りにして、アイに通す。
一度片結びして先端の輪をフックにくぐらせる。
引き締めて完成。
すっぽ抜け防止の為に余り糸をライターで焼いてコブを作るか、とっくり結びを交互に行い編みこむ。
ジギングで大型魚をターゲットにする際に必要なアシストフックの結び方です。
PEやケプラーの強化繊維を使用したアシストフックへの結びです。
20~30cmくらいの強化繊維の端でエイトノットループを作る。
フックの内側からループを通して外側からかぶせるようにして3~4回ハリ軸に巻き付ける。
軸となるラインをしっかりと締めこんで完成です。
最強、簡単、経済的な結びをめざして考えた結びです。
よれ易い所があるので注意深く締める必要があります。
従って細糸、軟らかい糸には向かないと思います。
フロロカーボンやハリのあるナイロン糸、太糸は余りよれないので大丈夫ですが、もし、結んでみてよれるようであればやめた方がいいでしょう。
20cm以上の長さのハリスが必要です。
ハリスの余り糸側と本線の末端がハリの近くに来るように大きなループを作り、ループ状のハリスをハリのチモト側に向かってハリスとハリ軸を一緒に1回巻き2回目をハリのタタキに引っ掛ける。つまり枕を入れる。
そしてハリスとハリ軸を一緒に8回巻く。
ゆっくりと本線を引っ張りヨレが出ないようにする。
つばで濡らすか巻いた状態を保持したまま水につけ、そのままの状態で本線を引く。
ハリスの本線をハリの内側(フトコロ側)にして巻き込み部分をチモトに移動させハリスの余り糸と本線を引っ張って締めこむ。
この結び方はハリスにヨリが発生する結び方なので締めこむ時にゆっくり注意深く行い、ヨリが解消するようにする。
本結びに比べて余り糸が少なくて済みます。
本結びに比べて巻きやすい。
本結びに比べて本線と巻きのクロス部分がチモト側にあるので強度が高い。
現在の糸ではヨレが出にくいので問題ない。
徹釣本結びは短いハリスを対象とした結び方ですが、長いハリスや直結結びが行えないわけではありません。
ただ徹釣本結びの図のような結び方では結べませんので、直結結びの方法をここに公開します。
図のようにハリスの末端側で大きなループを作り、図のような形にして点線〇部分を左手の指で押さえます。本線は左側。
チモト側のループのハリスを持って8回巻きます。
巻き終わりを指で押さえ、余り糸を右手で引いてチモト側の輪を小さくします。
巻き部分を指で押さえ巻き部分を充分に濡らし右手で本線を捻りながら撚りを解消するように引きます。
巻き部分をチモト側に寄せ、本線がチモトの下、ハリのフトコロ側から出るようにします。
余り糸と本線を持って引っ張り締めます。
針と本線を持って引っ張り締めます。
この結び方を行えば短いハリスでも巻けると思いますが、1m以下のハリスやサビキ仕掛け用の短ハリスの場合は徹釣本結びの方が結びやすいです。逆に短ハリスの場合、直結結びでは結べないと思います。
ですから両方の結び方をハリスの長さにより使い分けるのがいいと思われます。
出来上がりの見かけも変わらず、強度的にも変わりません。